文献詳細
特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(1)1990年9月 東京
学会原著
文献概要
チモロール(T群)あるいはジピベフリン(DP群)を単独で使用している低眼圧緑内障症例(LTG)において,使用開始後1年間における視野障害の進行状態と視野障害進行様式を解析した。薬剤使用開始より1年間におけるtotal visualfield lossは,T群で59.0±78.9dB,DP群では12.8±16.5dBの減少を示し,T群で有意に悪化していた(p<0.01)。T群の視野障害の悪化を認めた10眼の視野障害様式は,びまん性の進行を示したもの2眼に対し,局所性の進行を示したもの8眼で,DP群の視野障害の悪化を示した4眼の視野障害様式は、びまん性の進行,局所的な進行いずれも2眼であった。LTGで,チモロールは,ジピベフリンと比較して,視神経乳頭への血流を減少するなどの機序を介して視神経障害を助長させる可能性が示唆された。
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