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特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(1)1990年9月 東京 学会原著
原発性に類嚢胞黄斑浮腫をみた1例
著者: 岸本伸子1 宇山昌延1
所属機関: 1関西医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.389 - P.392
文献購入ページに移動 原発性に類嚢胞黄斑浮腫が両眼にある30歳女子を報告した。黄斑部網膜中心窩に数個の小嚢胞があり,小嚢胞は後に硝子体側が破れ,層状円孔となった。蛍光眼底造影では蛍光の漏出や貯留はなかった。視野は浮腫様の変化のある黄斑部よりむしろマリオット盲点を含んだ輪状の比較暗点を示した。ERGとEOGはsubnormal,色覚は正常,暗順応は一次暗順応時間の短縮,二次暗順応の最終閾値は上昇していた。Fenestratedsheen macular dystrophyに近縁の疾患と考えられたが,原発性に黄斑部に小嚢胞を伴う疾患である,dominant inherited cystoid macular edema,X-linked retinoschisisの女性保因者や網膜色素変性症などと鑑別が重要であり,さらに経過観察のうえで確定診断が行われる必要がある。
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