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連載 眼科図譜・297
後部硝子体膜症候群の硝子体手術の併発症としての神経線維束萎縮
著者: 北川桂子1 荻野誠周1
所属機関: 1愛知医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.462 - P.463
文献購入ページに移動症例1. 56歳女性。5か月前から視力低下,1か月前から変視症を自覚。視力0.4。黄斑網膜上に放射状網膜表層皺襞と膜孔を伴う3乳頭径大の薄膜があり黄斑網膜は菲薄化,嚢胞状変化が著しかった(図1)。中等度の皮質白内障を伴っていたので,白内障嚢外摘出と後房レンズ挿入を併用して,膜除去手術を行った。微小鉤針2)で擦過して膜を引っ掛け剥離した。散在性の網膜前出血と網膜浮腫をみた(図2)。術翌日,膜剥離部に綿花様白斑が出現,1か月後,乳頭黄斑間に神経線維束萎縮を認めた(図3)。綿花様白斑と神経線維束萎縮の位置は一致すると思われたが,写真記録がないため確実ではない。黄斑嚢胞は消え,変視症も消失したが,視力は術後1年で0.5であった。
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