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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻4号

1991年04月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(2)1990年9月 東京 学会原著

涙嚢原発の粘液性類表皮癌の1例

著者: 伊藤千春1 前田修司2 鎌田重輝3

所属機関: 1国保黒石病院眼科 2弘前大学眼科 3青森労災病院耳鼻科

ページ範囲:P.499 - P.502

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 25歳の男性に,十数年の流涙の後に発症した涙嚢腫瘍を経験した。腫瘍は涙嚢部から鼻涙管まで続いており,組織検査では乳頭状に増殖した上皮性の腫瘍細胞層の間に,粘液産生性の腫瘍細胞が散在し,一部では多量の粘液を産生している所見が認められ,粘液性類表皮癌(mucoepider-moid carcinoma)の診断であった。腫瘍切除術に続いて,上顎部分切除術および眼窩内容除去術が施行され,術後4年を経過し,再発をみていない。術前の検査では,流涙があるにもかかわらず涙道通水試験の通過は良好で,ときどき血液の逆流を見たことが涙嚢腫瘍として特徴的であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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