文献詳細
特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(2)1990年9月 東京
学会原著
文献概要
若年性網膜分離症20例の自然経過を検討した。黄斑分離は18例36眼,周辺部網膜分離は15例26眼に存在した。初診時視力の多くは0.2以下で黄斑分離は加齢に伴い車軸状の分離が平坦化または変性症に移行する症例がみられたが視力の変化はわずかで,また黄斑分離の程度および変化間に相関はなかった。周辺部網膜分離は耳側から下方の2象限におよぶものが多く,進行は緩徐だった。視野検査では網膜分離が存在しない異常反射の部位にも視野欠損のある症例が存在した。ERGはb波のみならずa波も減弱する症例がみられた。蛍光眼底造影では黄斑部にwindow defectが見られ,EOGはbase valueが低値であったことから周辺部網膜分離に色素上皮異常の存在が示唆された。
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