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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻4号

1991年04月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(2)1990年9月 東京 学会原著

涙液減少症における白内障術後に発生した角膜びらんについて

著者: 王孝福1 宮本裕子1 福田昌彦1 西田輝夫1 大鳥利文1

所属機関: 1近畿大学医学部眼科

ページ範囲:P.515 - P.517

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 白内障手術の術後合併症のひとつである角膜びらんの成因を検索する目的で,涙液減少症の影響について検討した。白内障手術を行った150眼について,術前にシルマーテスト,ローズベンガル染色および角膜知覚検査を施行し,術後角膜びらんの発生頻度を検討した。術前シルマー値が10mm以上の正常涙液分泌を示した群では70眼中2眼(2.9%),10mm未満の涙液減少群では80眼中11眼(13.8%)と,涙液減少群に有意に術後角膜びらんが発生した。ローズベンガル染色と,角膜知覚検査とには有意な相関を認めなかった。涙液減少症は白内障術後角膜びらん発生の機序に関与しており,術前にシルマーテストにより涙液分泌の状態を把握することが術後管理の上で重要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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