文献詳細
特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(2)1990年9月 東京
学会原著
文献概要
脳死判定基準のひとつとして瞳孔所見は重要である。今回我々は厚生省脳死判定基準により脳死と判定された50例に対して脳死時の瞳孔径の計測を行ったところ,従来の中等度散瞳に反した縮瞳例が3例6%にみられた。
また脳死判定前の7例及び脳死判定後の10例に対し低濃度(0.06%) ピロカルピンの点眼試験を行ったところ,脳死判定前の7例は全例ピロカルピンに無反応であったのに対し,脳死判定後は70%の頻度で縮瞳が観察されな,この結果は脳死により中枢での神経遮断と未梢レセプターでの脱神経過敏症がきわめて早期から発生した可能性を示唆した。以上より低濃度ピロカルピンの脳死判定への応用の可能性が考えられた。
また脳死判定前の7例及び脳死判定後の10例に対し低濃度(0.06%) ピロカルピンの点眼試験を行ったところ,脳死判定前の7例は全例ピロカルピンに無反応であったのに対し,脳死判定後は70%の頻度で縮瞳が観察されな,この結果は脳死により中枢での神経遮断と未梢レセプターでの脱神経過敏症がきわめて早期から発生した可能性を示唆した。以上より低濃度ピロカルピンの脳死判定への応用の可能性が考えられた。
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