臨床眼科45巻4号

1991年04月発行

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集（2）1990年9月　東京 学会原著

マドックス杆と正切尺によるphoria adaptationの測定

著者： 長谷部聡¹ 大月洋¹ 田所康徳¹ 岡野正樹¹ 渡辺好政¹

所属機関： ¹岡山大学医学部眼科学教室

ページ範囲：P.553 - P.555

　マドックス杆と正切尺を使用して，正常者9名について24,18,12,6△基底外方のプリズムに対するphoria （prism） adaptationの経時的な計測を行った。その結果，斜位の角度（融像除去眼位）は負荷するプリズム毎に異なる速度で指数関数的に減少し，プリズム装用210秒後には一定の収束値に近づく傾向を認めた。このようなプリズムに対する斜位の変化は従来の実験的報告とほぼ一致しており，臨床的に本検査法はphoria　adaptationの機能を評価する上で有用と考えられた。