文献詳細
特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(2)1990年9月 東京
学会原著
文献概要
巨大な眼瞼脂腺過形成の1症例を経験した。症例は81歳男性で,10年前に右上眼瞼の腫瘤に気づき近医にて切開を受け,その後10年間の間に腫瘤は徐々に増大し瞼裂よりはみ出し鼻翼にまで達した。腫瘤の表面は血管に富み赤みを帯びた黄白色で,結節をつくり,ぶどうの房状を呈していた。眼瞼の一部を含めて腫瘤を切除した。病理組織学的には正常の脂腺とほとんど変わらない腺構造を示しており,ズダンⅢ染色では腺細胞の胞体および導管の中に脂肪滴を確認し,脂腺過形成と診断された。その後腫瘍の再発は認められていない。
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