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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻4号

1991年04月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(2)1990年9月 東京 学会原著

ステロイド局所注射が奏効した顔面血管腫の1例

著者: 礒辺真理子1 黒田紀子1 高相道彦2 石渡幸夫1

所属機関: 1千葉県こども病院 2国立千葉病院

ページ範囲:P.577 - P.580

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 左顔面に発症した巨大苺状血管腫により開瞼不能となった4か月女児に対して,開瞼を目的として上下眼瞼に副腎皮質ステロイド薬(トリアムシノロン80mg,ベタメサゾン8mg)局所注射を施行した。1回注射のみで,3日後には開瞼可能となり,著効をしめした。既に視性刺激遮断弱視となっていたが,健眼遮蔽により左視力の上昇をえた。パターン視覚誘発電位(以下PVECPと略す),視力検査を定期的に実施して経過観察を行った。局所注射後8か月の全経過中ステロイドによる合併症はなく,ステロイドの局所注射は,苺状血管腫の治療に有効であった。今回の結果から,早期治療(弱視治療も含めて)の重要性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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