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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻4号

1991年04月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(2)1990年9月 東京 学会原著

落雷による過剰電流の眼内組織に及ぼす影響

著者: 佐久間健彦1 神尾一憲1 玉井信1

所属機関: 1東北大学医学部眼科教室

ページ範囲:P.601 - P.603

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 48歳男性の落雷による電撃傷の1例について報告した。全身的には,小腸穿孔,体表面積約30%の1〜2度の電撃熱傷,右鼓膜穿孔,下肢の知覚異常と反射の低下及び消失がみられた。受傷直後より,右眼の耳側上方視野のかすみを自覚し当科を受診した。初診時,視力右1.0(n.c.)左1.5(n.c.)と良好であったが右眼水晶体前嚢下に微細な混濁の散在があり,受傷後約2か月半後では,鮮明な花冠状の混濁を呈し,更に受傷約6か月後には花冠状の形態は不鮮明となり前嚢下の混濁は増強し右視力は0.1(n.c.)と低下した。また初診時網膜電位図検査にて,右眼op波の消失と両側b波の減弱,a波の頂点潜時の遅延があったが,経過中いずれも改善傾向を示した。経過中,進行性の網脈絡膜萎縮が認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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