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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻4号

1991年04月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(2)1990年9月 東京 学会原著

1眼に網膜血管炎,他眼にAPMPPEを発症したクローン病の1例

著者: 熊谷映治1 沖波聡2 荻野誠周3

所属機関: 1彦根市立病院眼科 2京都大学医学部眼科 3愛知医科大学眼科

ページ範囲:P.605 - P.608

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 直腸型クローン病の診断を受け,小腸狭窄増強のために小腸切除及び人工肛門造設術を受けた後4年4か月を経過して右眼に網膜血管炎による血管閉塞が発症し,その後左眼に急性後部多発性小板状色素上皮症(APMPPE)を発症した27歳男性の症例を経験した。右眼には初診時すでに新生血管が生じ,硝子体出血を繰返したため,レーザー網膜光凝固及び硝子体手術を施行し,視力の改善を得た。左眼は3か月の自然経過で,網膜に軽度の脱色素斑を残し視力は改善した。クローン病の合併症として網膜血管および脈絡毛細管板の血管に炎症が生じたものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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