文献詳細
特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(2)1990年9月 東京
学会原著
超音波乳化吸引術による術前術後角膜倒乱視例の解析.その1
著者: 久保知可1 鈴木亮1 田中一成1 藤原紀男2 栗本晋二1
所属機関: 1山口大学眼科 2藤原眼科医院
ページ範囲:P.609 - P.611
文献概要
術前倒乱視を示し,かつ6か月間観察された症例は313眼,一方,術後倒乱視を示し,6か月前にさかのぼって各測定時期のすべての記録のあった症例は257眼であった。全総数は1,077眼で,KPE 809眼(76.3%),ECCE 217眼(20.5%),その他34眼(3.2%)である。
KPE法に限定し,術前および術後の角膜倒乱視を解析した。術前倒乱視群では1週後の直乱視は67.3%であり,6か月後では7.9%であった。70歳以下と80歳以上を比較すると,年齢が低いほど,術後1週目での強主径線の収縮が強く,また早く改善した。年齢による術後の乱視度に差はなかった。以上の結果は以前に報告されているECCEの術後変化と必ずしも一致しなかった。
掲載誌情報