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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻4号

1991年04月発行

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(2)1990年9月 東京

学会原著

一過性黒内障で発症した内頚動脈閉塞症の1例

著者: 江見生英子1 関伶子1 前田和夫2 宮川照夫3

所属機関: 1済生会新潟総合病院眼科 2済生会新潟総合病院内科 3新潟脳外科病院

ページ範囲:P.617 - P.620

文献概要

 63歳の男性で左眼の一過性黒内障を初発として眼科を受診し,その後急速に脳梗塞に至った内頚動脈狭窄症の1例を経験した。左眼に低眼圧と眼底後極部の浮腫,多数の動脈分岐部の栓子,および蛍光造影で脈絡膜の充盈遅延と動静脈のsludgingが観察された。神経学的異常や頚部血管雑音は聴取されなかったが左内頚動脈狭窄を疑い,ウロキナーゼの点滴等の治療及び精査を開始した。しかし点滴開始後6日目に左脳梗塞を発症した。半年後の頚動脈造影では左内頚動脈起始部の狭窄と左眼動脈の狭窄を認め,内頚動脈狭窄部からの塞栓により眼動脈,ついでM1M2部の閉塞を来したと考えられた。本例より眼症状だけでも内頚動脈狭窄を疑うときには,頚動脈造影による確定診断と脳外科的治療の適応の検討を速やかに行うべきと反省させられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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