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臨床報告
急性期網膜静脈分枝閉塞症に対するレーザーの波長と焦点方式
著者: 田中隆行1 坂本道子1 須藤憲子1 大谷倫裕1
所属機関: 1群馬大学医学部眼科
ページ範囲:P.631 - P.636
文献購入ページに移動その結果,レーザーの種類にかかわらず,網膜出血・黄斑浮腫に対して光凝固は有効であった。術後視力が改善ないしは不変であった例は89眼79%であった。また術後視力が改善した46眼で,視力が固定するのに要した期間は,全体で3.1か月であった。合併症の頻度は,レーザーの波長と焦点方式により異なり,網膜神経線維層欠損は,アルゴン37%,クリプトン9%,色素レーザー焦点ずらし23%,色素レーザー同焦点6%であった。過剰凝固はアルゴン4%,クリプトン25%で,色素レーザー治療例には見られなかった。
本症に対する光凝固は,どのレーザーでも有効であったが,使用するレーザーの波長と焦点方式により,合併症の頻度は大きく異なっていた。現時点では,同焦点方式のレーザー装置を用いて,610nmなどの長波長で,過剰にならない淡い凝固斑をおくのがよいと結論される。
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