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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻4号

1991年04月発行

文献概要

臨床報告

硝子体手術後の再出血に対するベッドサイドでの硝子体洗浄

著者: 斉藤喜博1 檀上真次1 張野正誉1 池田恒彦1 田中文2 恵美和幸2

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室 2大阪労災病院眼科

ページ範囲:P.645 - P.649

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 硝子体手術後に再出血をきたし遷延した例に対して,ベッドサイドでの処置として硝子体洗浄(BSVL)を試みた。糖尿病網膜症11眼に対し,出血後2日から14日にベッドサイドあるいは外来において,毛様体扁平部または輪部より27G針にてBSVLを行った。ほぼ全例で処置直後に硝子体腔が透見可能となり術後眼底の精査が可能となった。1回のBSVLでその後再出血をきたさなかったもの6眼,複数回処置を要したもの2眼,再手術を要したもの3眼であった。複数回処置例,再手術例のうち2眼は血液透析患者であった。術後再出血例に対する人工房水による硝子体腔希釈洗浄は,簡便で,混濁の早期除去による眼底の詳細な検討を可能とさせる。この方法は再増殖抑制の効果も期待でき,積極的に行われてよいと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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