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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻4号

1991年04月発行

文献概要

臨床報告

糖尿病患者と非糖尿病患者における眼内レンズ挿入術後炎症の経時変化—レーザーフレアセルメーターによる観察

著者: 加藤直子1 上田彩子1 小紫裕介1 三浦昌生1 新城光宏1 近藤武久1

所属機関: 1神戸中央市民病院 眼科

ページ範囲:P.651 - P.655

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 糖尿病患者と非糖尿病患者において計画的水晶体嚢外摘出術及び後房レンズ挿入術を施行し,術後炎症の経時変化をレーザーフレアセルメーターを用いて測定した。糖尿病患者は非糖尿病患者に比べて術前のフォトンカウント値が高く,術前よりの血液房水関門障害の存在が示唆された。網膜症のある糖尿病患者では網膜症のない糖尿病患者や非糖尿病患者に比べて,術後第1日のフォトンカウント値の上昇が強く,また術後3か月間のフォトンカウント値も有意に高値を示した。網膜症のある糖尿病患者では,白内障手術による血液房水関門の破綻が大きいので術後炎症は強く,また術後長期にわたり炎症は遷延しやすいので,白内障術後長期の消炎治療及び経過観察が重要である。網膜症のない糖尿病患者における眼内レンズ挿入術は,術前・術後管理を慎重に行うなら,非糖尿病患者と同様の適応があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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