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特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(3)1990年9月 東京 学会原著
皮質盲の2症例
著者: 三木耕一郎1 由良安紀子1 緒方奈保子1 宮谷寿史1 山本領子1
所属機関: 1関西医科大学付属香里病院
ページ範囲:P.699 - P.702
文献購入ページに移動第1例は,61歳男性,突然の両眼視力低下にて受診。視力右=40cm指数弁,左=30 cm手動弁。眼底,瞳孔反射に異常をみなかった。視野は,両側性同名半盲を示した。CT,MRIにて両側後頭葉を含む多発性脳梗塞と診断した。
第2例は,62歳女性,自覚的な視力障害はなかったが(Anton症候群),両眼共に視力は0〜光覚。眼底,瞳孔反射に異常なく,CT, MRIにて両側後頭葉に著しい脱髄所見がみられた。カルモフールを長期間服用していたため,これによる白質脳症と思われた。
両側に急激な視力低下が起こり,瞳孔反射,眼底等に他覚的異常を認めないとき,皮質盲を疑い積極的にCT, MRI等の検査を行うのが望ましい。
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