文献詳細
特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(3)1990年9月 東京
学会原著
文献概要
筆者らは両側の瞳孔緊張症を伴ったCharcot-Marie-Tooth病(以下CMT病と略す)の1例を経験した。症例は63歳の女性。1989年10月17日,瞳孔異常の精査目的で当科を受診した。瞳孔は両眼とも不正円形で,瞳孔径は右3.5 mm,左4.0mmであった。対光反応および輻輳時の縮瞳は認められなかった。0.1%ピロカルピン点眼にて瞳孔径は,右2mm,左2.5mmまで縮瞳した。全身的には下肢で腱反射の低下がみられた。瞳孔緊張症は主に毛様体神経節の障害と考えられており,これはCMT病などの末梢神経障害と関連した自律神経障害の一部を示したものと思われる。
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