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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻5号

1991年05月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(3)1990年9月 東京 学会原著

眼窩内腫瘍で初発した原発性肺癌の1例

著者: 松岡孝昌1 尾上晋吾1 宮崎茂雄1 駒井潔1 下奥仁1 松本強2 谷栄一2

所属機関: 1兵庫医科大学眼科学教室 2兵庫医科大学脳神経外科学教室

ページ範囲:P.707 - P.710

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 片眼の眼球突出,視力障害で初発した肺癌の眼窩内転移の1例を報告した。症例は,全身症状を示さなかった34歳の男性で,急速に進行する右眼の眼球突出と視力障害を主訴に眼科を初診した。画像診断にて,骨破壊を伴って周辺軟部組織に浸潤する右眼窩内腫瘍を認めた。切除標本での病理組織検索で,高分化型腺癌と診断され,この病理所見に基づく全身精査により肺腫瘍が発見され,本例での眼窩内腫瘍は肺癌の転移と診断された。肺癌の眼窩内転移は,本邦では現在まで稀な疾患とされていたが,肺癌の増加に伴い今後増加することが予測され,転移性眼窩内腫瘍の原発巣として肺癌は重要な位置を持ってくるものと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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