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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻5号

1991年05月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(3)1990年9月 東京 学会原著

妊娠に伴う網脈絡膜症について

著者: 太田眞理子1 石蔵久美1 石川浩子1 三木徳彦1

所属機関: 1大阪市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.749 - P.752

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 妊娠に合併した網脈絡膜症の2例を報告した。症例1は39歳,妊娠35週で妊娠中毒症を合併していた。両眼底後極部に散在する分葉状の浮腫状混濁病巣を認めた。帝王切開後,病変は拡大した。螢光眼底造影において初期に脈絡膜螢光の充盈欠損を,後期に脈絡膜より多発性の螢光色素漏出を認めた。症例2は32歳,妊娠24週で,臨床的に妊娠中毒症はなかった。左眼底視神経乳頭を中心に浮腫状混濁病巣とその外周に小斑状灰白色病巣の散在を認めた。本病変は妊娠中毒症発現機序における脈絡膜毛細血管循環障害に起因するものであり,臨床的妊娠中毒症を呈さずとも発症すると考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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