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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻5号

1991年05月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(3)1990年9月 東京 学会原著

外傷性毛様体解離に対する冷凍凝固,強膜内陥術併用の一経験

著者: 藤沢昇1 宮永和人1 樋口明美1 海平淳一2 東福寺祐夫2 保谷卓男2

所属機関: 1北信総合病院眼科 2信州大学眼科

ページ範囲:P.757 - P.760

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 症例は交通事故で右眼を打撲し,外傷性毛様体解離のために低眼圧性黄斑症を呈した22歳の男性である。隅角鏡で毛様体解離は下耳側に約90度認められた。受傷の10週後,アルゴンレーザー凝固を毛様体解離部に施行したが効果は得られなかった。受傷の4か月後,冷凍凝固と角膜輪部より4mmの位置に直径3mmのシリコンスポンジで強膜内陥術を施行した。術後3日で眼圧は正常域に回復し,低眼圧性黄斑症は徐々に回復した。術後2週で異物感が強いとの訴えのためシリコンスポンジを除去した。除去後眼圧は不変であった。冷凍凝固と強膜内陥術の併用は,強膜毛様体縫合術やジアテルミー凝固より侵襲が少なく有用な方法と思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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