文献詳細
特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(3)1990年9月 東京
学会原著
文献概要
発症より35年以上観察した末期のベーチェット病患者を経験した。症例は19歳の時に右虹彩毛様体炎で発症し,完全型ベーチェット病として約3年間入院加療され,以後は著明な再発は認められなかった。現在,視力は右:手動弁,左:0.01。視野,ERG,暗順応検査等は著明に障害されていたが,色覚は比較的保たれていた。本症例のように重篤な発作が消失し,落ち着いていると思われる例でも長期的にみると徐々に網脈絡膜の荒廃がすすんでおり,ベーチェット病の長期にわたる経過観察の必要性を示唆していると考えられた。
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