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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻5号

1991年05月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(3)1990年9月 東京 学会原著

肝移植後にサイトメガロウイルス網膜炎を併発した1症例

著者: 白木邦彦1 三木徳彦1 森脇光康1 大塚尚1 堤武文1

所属機関: 1大阪市立大学医学部眼科

ページ範囲:P.793 - P.795

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 成人のサイトメガロウイルス(CMV)網膜炎は,悪性腫瘍罹患中,移植後,副腎皮質ステロイド薬大量使用下,後天性免疫不全症候群など,免疫抑制状態にみられる。筆者らは,日本人で初めて肝移植を受けた50歳男性に発症したCMV網膜炎と思われる症例を経験した。両眼の視力障害にて来院。両眼に硝子体中の細胞とともに,後極部を中心に網膜血管に沿った黄白色滲出物と網膜出血等,壊死性網膜炎の所見がみられた。既往歴として肝細胞癌のため8か月前に米国にて肝移植を受け,経過中渡米した際,尿よりのウイルス分離とともに臨床的にCMV網膜炎の診断のもと,ganciclovir®を投与されている。本邦でも各種臓器移植の増加とともに日常診療での遭遇も多くなると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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