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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻5号

1991年05月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(3)1990年9月 東京 学会原著

常染色体優性遺伝性と思われたパターンジストロフィの1症例

著者: 川北聖子1 足立和孝1 中馬祐一1 瀬川要司2 若林謙二2

所属機関: 1辰口芳珠記念病院眼科 2金沢大学医学部眼科

ページ範囲:P.813 - P.815

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 49歳男性の両眼に網状ジストロフィを認め,左眼には中心性漿液性網脈絡膜症の合併を認めた。漿液性剥離消失後のERGは両眼ともに正常,EOGのL/Dも正常であったが,高浸透圧応答とダイアモックス応答が左眼で減弱,7%炭酸水素ナトリウム応答は両眼ともに減弱していた。本症例の3人の子供のうち,娘2人を検索したところ,眼底所見および螢光眼底所見は両名ともに異常を認めなかったが,次女で7%炭酸水素ナトリウム応答が両眼ともに減弱し,高浸透圧応答が右眼で減弱していた。以上より本症例とその娘で網膜色素上皮の広範な障害が検出され,EOGの7%炭酸水素ナトリウム応答が遺伝形式の推定に利用できる可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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