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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻5号

1991年05月発行

文献概要

臨床報告

外傷性三角症候群と網膜剥離に続発した三角症候群

著者: 高橋京一1 村岡兼光1 得居賢二1 中静隆之1 須藤憲子1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.859 - P.867

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 三角症候群は,脈絡膜動脈閉塞が原因とされている疾患単位であるが,実際の臨床では脈絡膜血管走行と萎縮巣が一致しない症例が多数観察される。
 筆者らは,扇状の網脈絡膜萎縮をもつ症例42眼39例を外傷群と非外傷群に分け,萎縮巣の部位と形態および合併する病変につき,螢光眼底造影法を用いて検討した。
 外傷群14眼では,脈絡膜動脈の支配領域にほぼ一致した萎縮巣が観察され,脈絡膜動脈の急性閉塞がその発生原因として想定された。非外傷群28眼では,24眼(86%)で後極部に螢光漏出点が合併していた。萎縮巣の部位は,全例眼底下方に存在し,それは網膜下液の流路や貯溜部位と一致し,脈絡膜動脈の走行とは一致しなかった。
 以上の結果から,非外傷群の萎縮巣は,滲出性網膜剥離が遷延した結果,その流路ないしは貯溜部位の網膜色素上皮が萎縮を起こし三角症候群を形成したものと結論された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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