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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻5号

1991年05月発行

文献概要

臨床報告

増殖糖尿病網膜症における房水フレア値の検討

著者: 前野貴俊1 今居寅男1 前田直之1 春田恭照1 田野保雄1

所属機関: 1国立大阪病院眼科

ページ範囲:P.870 - P.872

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 増殖糖尿病網膜症の房水フレア値をレーザーフレアセルメーター(FC-1000®,興和)で測定した。増殖糖尿病網膜症を臨床的重症度に応じて分けると,汎網膜光凝固で網膜症が鎮静化したA群12眼,硝子体出血あるいは黄斑外牽引性網膜剥離が存在し網膜症の活動性が高いB群9眼,高度の硝子体出血あるいは黄斑牽引性網膜剥離が存在し硝子体手術予定例であるC群37眼であった。またコントロールとして正常眼12眼を用いた。各群の房水フレア値(photon couts/msec)は,A群11.6±4.9,B群16.1±4.5,C群38.6±58.8,正常群4.0±0.8であり,各群間のすべてに統計学的有意差を認めた。房水フレア値測定は糖尿病の細小血管症及び新生血管による血液眼関門の異常を捉えるために有用な検査法であり,増殖糖尿病網膜症の管理に有用であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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