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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻6号

1991年06月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(4)1990年9月 東京 学会原著

眼内異物によってひき起こされた続発緑内障の1例

著者: 土屋美津保1 柳田隆1 高比良雅之1 片口尚志1 和田雅子1

所属機関: 1国立金沢病院眼科

ページ範囲:P.956 - P.957

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 2年間放置されていた眼内鉄片異物によりひき起こされた続発緑内障の1例を報告した。
 症例は39歳,男性。初診時視力は右1.5,左H.B.。眼圧は右16mmHg,左72mmHg。異物は左眼網膜に接して存在し,被膜に覆われていた。左隅角は開放隅角であった。Electroretinogram(ERG)のa波,b波,律動様小波(OP)は減弱していた。左眼硝子体切除術,硝子体マグネットを用いた眼内異物摘出,およびトラベクレクトミーを施行した。摘出した異物は重量0.5mg,微量分析によりマルテンサイト系ステンレスと推察された。
 本症ERGのa波,b波,OPは減弱しているものの消失型ではなかったのは,①異物が腐食されにくいステンレスであったこと,②異物が被膜に覆われていたことによると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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