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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻6号

1991年06月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(4)1990年9月 東京 学会原著

蚕食性角膜潰瘍の病理組織学的所見

著者: 小澤啓子1 中村みゆき1 山下晃1 山形忍1 河本道次1 川村貞夫2

所属機関: 1東邦大学医学部第一眼科学教室 2東邦大学医学部第二病理学教室

ページ範囲:P.990 - P.993

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 80歳,男性の両眼性の蚕食性角膜潰瘍の1症例を報告した。両眼の疼痛で,当科受診し,両角膜辺縁部にほぼ全周にわたる潰瘍を認めた。急性肺炎のため入院後まもなく死亡した。強膜を含めた角膜を摘出し,HE染色およびPAP法にて光顕的に検索したところ典型的な蚕食性角膜潰瘍の所見を呈し,炎症は上皮,実質,一部内皮に及び,炎症細胞はリンパ球,形質細胞および,マクロファージがみられた。PAP法ではIgG>IgA細胞が多く,免疫グロブリンの上皮下,特にボーマン膜への沈着もみられ,自己免疫の関与が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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