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特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(4)1990年9月 東京 学会原著
マイボーム腺分泌物の塗抹細胞診
著者: 宮下公男1
所属機関: 1東海大学医学部眼科
ページ範囲:P.1017 - P.1019
文献購入ページに移動 眼球表面の維持にはマイボーム腺由来の脂質は不可欠である。筆者はマイボーム腺分泌物(meibum)に混濁などの異常を認めた18例18眼を対象としてmeibumの塗抹標本を作成し,ヘマトキシリン・エオジン染色を施行し鏡検した。対照は正常者5例5眼であった。対照では少数の角化細胞のみを認めたのに対し,meibumに異常の認められた例では多数の角化細胞を認めたもの2眼,非角化上皮細胞の認められたもの12眼,好中球やリンパ球の認められたもの4眼であった。これらより,異常meibumの出現には,炎症と管腔上皮の増殖の異常を伴う角質増殖が関与していることが示唆された。
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