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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻6号

1991年06月発行

文献概要

臨床報告

傾斜乳頭症候群にみられた網膜下新生血管

著者: 塚原康友12 中橋康治1 今泉正徳3 大久保潔14

所属機関: 1神戸大学医学部眼科 2公立宍粟郡民病院眼科 3兵庫県立淡路病院眼科 4神戸海星病院眼科

ページ範囲:P.1042 - P.1046

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 傾斜乳頭症候群に網膜下新生血管を合併した8症例を報告した。いずれの症例も新生血管は,後部ブドウ腫様に後方に拡張した眼底の上縁で中心窩近傍に発生していた。本症候群におけるこの部位は発生学的な脆弱性と高度な変形のためBruch膜の破綻,循環障害等を来し,網膜下新生血管が発生しやすいと考えられた。本症候群に伴う網膜下新生血管はこのような構造上の特殊性から発生し,臨床的にも極めて似通った所見を呈するため,網膜下新生血管を来す疾患のひとつとして独立させて考えて良いと思われた。また,本症候群の経過観察のうえで網膜下新生血管の発症を念頭に置く必要があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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