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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻6号

1991年06月発行

文献概要

臨床報告

常染色体劣性遺伝が示唆されるWagner様網膜硝子体変性症

著者: 中塚和夫1 後藤正雄1 蔭山誠1 前尾直子1 矢野良雄2

所属機関: 1大分医科大学眼科学講座 2健康保険南海病院眼科

ページ範囲:P.1047 - P.1053

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 Wagner病(別名,Wagner遺伝性網膜硝子体変性症)の疾患概念が,この半世紀間,変遷してきたことを紹介した。
 今回,全身異常を伴わず,眼病変がWagner病そのものであるも,常染色体劣性遺伝が示唆された症例を報告する。症例は41歳の男性で,両眼とも水晶体は軽度後嚢下混濁し,硝子体は液化,後部硝子体剥離を呈していた。眼底赤道部には,網膜と付着する硝子体の半透明な索がほぼ全周にあり網膜境界線を示した。その周辺部には黒色色素の帯がドーナツ状に認められた。網膜境界線の周辺側は,蛍光眼底造影で高度な網脈絡膜萎縮が,同時に硝子体蛍光濃度測定にて血液網膜柵の機能障害が観察された。
 症例は両親が近親婚であった。検査した3人の男子は異常なく,また聞きえた限り他に眼疾者はいなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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