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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻7号

1991年07月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(5)1990年9月 東京 学会原著

先天縮瞳の1例

著者: 中井義秀1 北大路浩史1 北大路勢津子1 水野和也1 中井義昌1

所属機関: 1東海眼科

ページ範囲:P.1105 - P.1109

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 先天縮瞳症はいかなる散瞳薬にも反応しない直径1mm位の小瞳孔と,虹彩紋理不明瞭を特徴とするまれな先天性疾患であるが,小瞳孔のため周辺部眼底の詳細な記載はみられない。今回の症例は75歳男性で生来瞳孔径1mm弱で,種々の散瞳薬でも全く反応せず,虹彩紋理は不明瞭で収縮襞は少数認められたが,捲縮輪,放射状皺襞,小窩はみられなかった。同症例に水晶体嚢外摘出術と後房レンズ挿入手術をし,術後眼底検査では黄斑耳側から周辺部にかけて強い網膜萎縮がみられ,同部位の視野欠損もみられた。手術時得られた虹彩の組織検査では瞳孔散大筋,括約筋は欠如しており,遺伝形式は単独発生例で外胚葉起源の発生異常と推測した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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