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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻7号

1991年07月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(5)1990年9月 東京 学会原著

黄斑前膜における後部硝子体膜の関与

著者: 田村卓彦1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1115 - P.1119

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 硝子体手術により得られた黄斑皺のある黄斑前膜7例を組織学的に検索した。黄斑前膜の原因疾患は特発性2例と各種眼内手術後5例である。増殖性硝子体網膜症(PVR)を除く5例で,シート状の膠原線維層が共通の主要構成要素であった。この膠原線維は直径は約16nmで周期性は約22nmであった。この線維の形態と内境界膜との位置関係から,この膠原線維層は,硝子体皮質そのものと同定された。細胞成分は少ないか限局性であった。PVRの2例では硝子体皮質と思われる膠原線維層はなく,細胞増殖が中心であった。以上から,種々の疾患で硝子体皮質が黄斑前膜の基本要素となりうることが確認された。また,その収縮は,必ずしも細胞成分の収縮とは限らず,硝子体皮質自身の収縮が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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