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特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(5)1990年9月 東京 学会原著
外傷性黄斑円孔の臨床像
著者: 横塚健一1 岸章治1 戸部圭子1 亀井陽1
所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1121 - P.1124
文献購入ページに移動外傷性脈絡膜萎縮が,23眼中16眼に併発し,うち12眼は,三角症候群の形態を呈していた。黄斑に萎縮が及んだ10眼では,視力は0.1以下であった。隅角解離は7眼に,周辺部網膜裂孔は4眼に併発した。
円孔は,新鮮例では,特発性に比べて小さく,その縁が不整で,正円ではなかった。円孔外縁の網膜の下掘れと縁の挙上はなく,周囲網膜は比較的平担であった。特発性円孔では,円孔外縁の下掘れと周囲網膜の浮腫が必発であり,際立った対照を示していた。硝子体検査を実施した13眼中12眼(全体の52%)で,後部硝子体剥離を認めた。一方,特発性円孔の新鮮例では,硝子体剥離はなかった。鈍的外傷による急性に生じた後部硝子体剥離により,中心窩に裂隙を生じることが外傷性黄斑円孔の主因であると推論された。
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