icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻7号

1991年07月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(5)1990年9月 東京 学会原著

塩酸ニカルジピン(ペルジピン®)注による術中高血圧の治療

著者: 細谷比左志1 木田一男2 佳波真弓2 大本達也2

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室 2関西労災病院眼科

ページ範囲:P.1211 - P.1214

文献購入ページに移動
 白内障などの眼科手術中の異常高血圧を塩酸ニカルジピン(ペルジピン®)の静注により治療し好結果を得た。
 対象は年齢50〜83歳の白内障患者20名(延べ22例)で,白内障手術中に収縮期血圧が190mmHg以上の高血圧を呈した症例である。投与量は1mgで,投与直前の収縮期血圧203.2±11.1mmHgが投与5分後には150.0±16.4mmHgに下がり,以後安定し投与30分後でも156.2±18.3mmHgであった。1mgの追加投与した症例が2例だけあった。心拍数は投与前80.1±15.7が投与5分後に87.0±14.2と増加したが,投与10分後には80.2±14.1に戻った。塩酸ニカルジピンは重篤な副作用もなく,点滴ルートから静注できるので,白内障などの眼科手術中の高血圧のコントロールに適していると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?