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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻7号

1991年07月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(5)1990年9月 東京 学会原著

眼底所見により亜急性硬化性全脳炎SSPEを疑い,イノシンプラノベクス投与で神経症状の発現を予防していると思われる1例

著者: 秋山修一1 早川むつ子1 加藤和男1 金井淳1 小宮忠利2 金子寛3

所属機関: 1順天堂大学眼科 2順天堂大学神経内科 3松戸市立病院眼科

ページ範囲:P.1238 - P.1242

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 亜急性硬化性全脳炎(subacute scleros-ing panencephalitis:SSPE)は,麻疹ウイルスによる脳内持続感染症のひとつと考えられている。今回筆者らは,視力障害で受診した15歳の女性の眼底で,初期に黄斑部中心の網膜深層出血を伴う壊死性網膜炎様に始まり,瘢痕期に色素沈着,網膜皺襞形成に至った経過より,SSPEを疑い,血清,髄液中の麻疹抗体価の上昇を確認した。神経学的には脳波,CTなどでSSPEの特徴的所見を認めないものの,眼底,血液,髄液所見よりSSPEを強く疑い,イノシンプラノベクス経口投与を開始した。経口投与後1年を経過しても神経学的所見は発現しておらず,本症の進行を予防できていると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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