icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻7号

1991年07月発行

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(5)1990年9月 東京

学会原著

両眼性サルコイド網膜肉芽腫の1症例

著者: 小野寺毅1 長谷川豊1 田澤豊1

所属機関: 1岩手医科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1247 - P.1251

文献概要

 サルコイド網膜肉芽腫の発生過程を,検眼鏡と螢光眼底撮影にて詳細に観察し得た18歳女性の1症例を報告した。肉芽腫は両眼性で,滲出性網膜剥離を伴った黄白色の隆起性病変として6か所に出現した。螢光所見上,早期に低螢光,後期に旺盛な色素漏出を示し,また,ステロイドの全身投与が著効した。これらの所見は,今までのサルコイド脈絡膜肉芽腫の報告と一致していた。しかし,本症例にみられたすべての肉芽腫は,初診時に網膜静脈周囲炎のみられた部位に一致して発生し,消退後には,網膜色素上皮萎縮などの変化を残さなかったことより,網膜起源であることが強く示唆された。したがって,今回の検討から,過去に脈絡膜肉芽腫と診断されたものの中には,網膜肉芽腫が含まれている可能性があると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら