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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻7号

1991年07月発行

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(5)1990年9月 東京

学会原著

向精神薬により発生したと考えられた角膜内皮障害の1例

著者: 西田幸二1 大橋裕一1 切通彰1 木下茂1 眞鍋禮三1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1253 - P.1255

文献概要

 向精神薬の長期投与中に,両眼性の高度の角膜浮腫を発生した1例を経験した。患者は28歳の女性で10年前より精神分裂病にてフェノチアジン系やブチロフェノン系の投与を受けていた。当科初診時,矯正視力は右(0.05),左(0.01)で,両眼角膜に高度の実質浮腫を認めた。向精神薬による内皮障害の可能性が考えられたため,上記向精神薬の投与を中止したところ角膜浮腫は著明に軽減し,矯正視力も右(0.6),左(0.4)に改善した。スペキュラーマイクロスコープによる観察では内皮細胞の著しい拡大が認められた。フェノチアジン系やブチロフェノン系などの向精神薬の長期投与により,角膜内皮障害が生じる可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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