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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻8号

1991年08月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・58

悪性リンパ腫

著者: 大西克尚1 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.1318 - P.1319

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 悪性リンパ腫は眼瞼,結膜,眼球内や眼窩に発生し,頻度は高くないが,鑑別診断として常に念頭におかなければならない疾患である。眼科領域ではボジキン病は少なく,非ホジキンリンパ腫が多い。症状は腫瘍の形成部位によりことなり,網脈絡膜へ腫瘍細胞が浸潤すれば,白斑として観察される(図1)。結膜や眼窩に発生すれば,サーモンピンク調の特徴的な腫瘍が観察される(図2)。腫瘍が眼球を圧迫すれば網脈絡膜に皺襞形成をきたすことがある。
 診断には眼窩に発生した場合はCTやMRI検査が,腫瘍の広がりが分かり有用で,網脈絡膜のリンパ腫の場合は螢光眼底撮影検査も参考になるが,いずれの場合でも確定診断には生検による病理組織学的検査が必要である。ぶどう膜炎による硝子体混濁が強く,硝子体切除術を行い,その切除標本を顕微鏡で観察して,初めて悪性リンパ腫と診断されることもある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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