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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻8号

1991年08月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(6)1990年9月 東京 学会原著

アセタゾラマイドによる黄斑浮腫の治療

著者: 楠部亨1 坪井俊児1 井上新1 小島伸介1 辻岡雅典1 松本長太2

所属機関: 1多根記念眼科病院 2近畿大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1369 - P.1373

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 アセタゾラマイドには血液網膜柵における外向きの水輸送を促進する作用があり,これが臨床的に黄斑浮腫の改善作用を有するかどうかについて検討した。対象は黄斑浮腫の存在する,糖尿病性網膜症,ぶどう膜炎,網膜静脈閉塞性,網膜色素変性症,白内障術後の類嚢胞性黄斑浮腫(CME)の計28例45眼である。アセタゾラマイドを500mg連日経口投与し,投与後の矯正視力が2段階以上改善したものを有効と判定した。有効例は,ぶどう膜炎で2例,網膜静脈閉塞症で2例,網膜色素変性症で1例,CMEで1例に認められた。本治療は原疾患に対する根本療法ではないが,補助療法として一度試してみてよい方法と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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