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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻8号

1991年08月発行

文献概要

特集 第44回日本臨床眼科学会講演集(6)1990年9月 東京 学会原著

未熟児網膜症Ⅰ型全周型発生の推移

著者: 川路陽子1 馬嶋昭生1 市川琴子1 川地浩子1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1385 - P.1388

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 1988年までの14年間に出生し,名市大病院新生児集中治療室で管理された極小未熟児を,前後7年間のA群112例,B群125例に分けて比較した。未熟児網膜症(ROP)Ⅰ型で病変が全周に出現する症例(全周型)がA群で5例,B群では19例と,B群で有意に増加していた(p<0.01)。この全周型は未熟性の点ではⅡ型と似ていたが,瘢痕期2度弱度以下の軽症となった。鼻側からROPの発生した症例はすべて全周型を示し,きわめて未熟な症例の初発部位の多くは,鼻側であると考えられた。近年の全周型の増加は,non—invasive monitoring systemなどによる児の管理の進歩によって,従来はⅡ型のような重症となる症例が移行したものと推察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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