icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻8号

1991年08月発行

文献概要

臨床報告

強膜弁下強膜切除術が奏効したuveal effusionの症例

著者: 友田隆子1 蔵本秀史1 萩原実早子1 大熊紘2

所属機関: 1大阪府済生会泉尾病院眼科 2関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1491 - P.1494

文献購入ページに移動
 小眼球を伴わない39歳男子の片眼性のuveal effusionに対し,強膜弁下強膜切除術を行った。術式は,鼻上側,耳上・下側の3象限に輪部より4mm後方に,輪部側に底をもつ4×5mm の厚さ1/3層の強膜弁を作り,この中央で3×2mmの残り2/3層全層の強膜切除を行い,これより後方に強膜1/3層を残した1.5mm幅のトンネルを強膜弁の後方まで作り,トンネル周囲のテノン嚢を切除し,強膜弁は9-0ナイロン糸にて2糸縫合した。術中ぶどう膜の露出部より多量の上脈絡膜液の流出があり,脈絡膜剥離はほぼ消失した。網膜剥離は術後2日には消失し,以後1年間治癒している。術中切除した強膜は,膠原線維の薄葉の配列の乱れと大小不同がみられた。炎症所見はなかった。
 本法は,眼球に対する侵襲が少なく,手技がトラベクレクトミーと類似しているので,比較的容易に行える良法と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら