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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻8号

1991年08月発行

文献概要

臨床報告

走査レーザー検眼鏡による螢光眼底血球造影

著者: 田中隆行1 古沢信彦1 得居賢二1 村岡兼光1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1531 - P.1536

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 眼底疾患を有する患者108眼および正常者2眼に,走査レーザー検眼鏡による螢光造影を行い,網膜の微小循環動態を検索した。その結果43眼で,傍中心窩血管網を毛細血管レベルで造影できた。このとき,毛細血管内を移動する多数の過螢光点が観察された。この点の特徴は,毛細血管よりも強い螢光を発し,速く移動し,点と点の間に約100μmの間隔があることである。血管内での移動速度は,細動脈内で速く,毛細血管に入ると遅くなり,細静脈内で速くなる。白血病眼では,この過螢光点の数が多く,点と点の間隔が狭かった。正常人3名から採取した血液の螢光染色では,赤血球は染色されず,白血球と血小板が染色された。今回の螢光造影で観察された過螢光点は,主に白血球と考えられ,この点を指標にすることにより,血流の方向と速度が分かることが結論された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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