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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科45巻9号

1991年09月発行

文献概要

臨床報告

Choroidal foldsを伴う糖尿病性網膜症

著者: 新城光宏1 上田彩子1 和田優子1 小紫裕介1 三浦昌生1 岸本直子1 近藤武久1

所属機関: 1神戸市立中央市民病院眼科

ページ範囲:P.1579 - P.1583

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 糖尿病性網膜症として経過観察中,特に誘因なく脈絡膜皺襞の出現を認め,過去に報告された脈絡膜皺襞の原因となるべき疾患を見出し得なかった症例を3例経験した。
 症例はいずれも高齢の女性で,両眼にAⅠ,AⅡあるいはBⅠ(福田分類)に相当する糖尿病性網膜症が認められた。糖尿病性網膜症として経過観察中,両眼底に脈絡膜皺襞の出現をみたため原因検索を試みたが,糖尿病を除く他の基礎疾患はみられなかった。
 本症例はいずれも,脈絡膜皺襞をきたすべきなんらの基礎疾患も認められず,いわゆる特発性脈絡膜皺襞(idiopathic choroidal folds)とみなされる。しかし,病理組織学的には,糖尿病性変化は,網膜血管系のみならず脈絡膜血管系にも生じることが知られており,微視的な変化だけではなく,巨視的な糖尿病性変化として脈絡膜皺襞が出現する可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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