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臨床報告
Choroidal foldsを伴う糖尿病性網膜症
著者: 新城光宏1 上田彩子1 和田優子1 小紫裕介1 三浦昌生1 岸本直子1 近藤武久1
所属機関: 1神戸市立中央市民病院眼科
ページ範囲:P.1579 - P.1583
文献購入ページに移動症例はいずれも高齢の女性で,両眼にAⅠ,AⅡあるいはBⅠ(福田分類)に相当する糖尿病性網膜症が認められた。糖尿病性網膜症として経過観察中,両眼底に脈絡膜皺襞の出現をみたため原因検索を試みたが,糖尿病を除く他の基礎疾患はみられなかった。
本症例はいずれも,脈絡膜皺襞をきたすべきなんらの基礎疾患も認められず,いわゆる特発性脈絡膜皺襞(idiopathic choroidal folds)とみなされる。しかし,病理組織学的には,糖尿病性変化は,網膜血管系のみならず脈絡膜血管系にも生じることが知られており,微視的な変化だけではなく,巨視的な糖尿病性変化として脈絡膜皺襞が出現する可能性がある。
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