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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科46巻1号

1992年01月発行

雑誌目次

連載 眼科図譜・306

外傷によると考えられたアカントアメーバ角膜炎の1例

著者: 加畑隆通 ,   石橋康久 ,   本村幸子 ,   石井圭一

ページ範囲:P.6 - P.7

 緒言 アカントアメーバ角膜炎は,本邦においては石橋ら(1988)1)が報告して以来,報告例が増加している。本症の多くはコンタクトレンズ(以下CLと略)装用者に発症しており2〜4),本症とCLとの密接な関係が示唆されている。しかし,CL装用者以外にも本症の発症があり,本症の患者のうち,Jones (1986)の報告3)では17%が,またStehr・Green (1989)らの報告4)では15%がCL装用者以外に発症している。筆者らはCL装用者以外に発症した,外傷によると思われるアカントアメーバ角膜炎を経験したので報告する。
 症例 患者は39歳の男性で,左眼の視力低下,疼痛,流涙を主訴に受診した。現病歴は農業機械の整備中に左眼の異物感を自覚し,その後,左眼の充血,流涙,霧視が出現したため,近医を受診。角膜ヘルペスと診断され,治療を受けたが症状が悪化したため,別の眼科医を受診。そこでアカントアメーバ角膜炎が疑われ,紹介により筑波大学眼科を受診した。初診時所見では左眼の視力は0.02矯正不能であり,角膜の中央に直径約6mmのほぼ円形の白い混濁をみた(図1)。白濁は角膜実質の浅層に限局していて,混濁部の中央の実質には浮腫があった。また混濁部の上皮は不整であったが,上皮欠損や潰瘍は形成していなかった。

眼の組織・病理アトラス・63

原発性蓚酸尿症

著者: 坂本泰二 ,   猪俣孟

ページ範囲:P.10 - P.11

 原発性蓚酸尿症primary hyperoxaluriaは,グリシンの代謝酵素欠損のため全身の蓚酸の濃度が増加し,蓚酸カルシウムが全身諸臓器に沈着する稀な疾患である。臨床的には,蓚酸カルシウムの沈着臓器によりさまざまな症状を呈するが,腎不全で死亡することが多い。本症は,常染色体劣性遺伝の形式をとり,幼少時より発症する。
 眼組織では,蓚酸カルシウムは角膜,結膜,虹彩実質,毛様体上皮,網膜,視神経に沈着し,それに伴ってさまざまな眼症状を呈することが報告されている。このうち,網膜への沈着がもっとも高頻度にみられ,しかも視機能に直接影響する場合がある。沈着物が,黄斑以外の部に存在する場合には視力にあまり影響しないが,病変が黄斑に及ぶと著しい視力障害を起こす。また,比較的稀ではあるが,視神経に沈着する場合にも視力障害の原因となりうる。検眼鏡所見としては,後極部眼底にflecked retinaといわれるように黄白色点状沈着物が(図1),または黄斑を中心に黒色斑状の小病変が散在する。

今月の話題

眼内レンズ(後房レンズ)挿入術・術後長期合併症

著者: 稲富誠

ページ範囲:P.13 - P.15

後房レンズ移植眼の合併症についてレンズ摘出あるいはレンズ交換を行った24例を中心に総論的に述べた。術後のぶどう膜炎に対しては薬物療法の限界を早く見極め,レンズ摘出とvitrectomyを行うことが大切である。後房レンズ移植術はかなり安定した術式になったとはいえ,術後長期にわたる術者自身による経過観察が大切であることを強調した。

眼科薬物療法のポイント—私の処方・37

梅毒性網脈絡膜炎

著者: 清水良

ページ範囲:P.61 - P.63

 患者は26歳の健康な女子。職業はエアロビックスの教師である。主訴は右眼の進行性の視力低下。4日前より右眼のぼやけを自覚し,特に中心が見づらいという。1日前に某眼科を受診し,当科を紹介された。初診時の矯正視力は右0.1,左1.5であった。右眼底後極部に約4乳頭径の,境界がやや不鮮明な黄白色の混濁があり,一見漿液性剥離のようであるが,隆起はほとんどみられなかった。蛍光眼底造影所見では,後期像で顕著な蛍光色素の貯留があり,網膜色素上皮剥離の所見を呈していた。虹彩炎はない。左眼底は正常であった。

眼科手術のテクニック—私はこうしている・37

後嚢有する症例に対する後房レンズ二次移植術

著者: 江口秀一郎

ページ範囲:P.65 - P.68

緒言
 白内障手術において後房レンズ移植術が広く一般に普及するに伴い,コンタクトレンズの日常装用に耐えられずに無矯正のまま放置し,単眼視にて生活していた片眼無水晶体眼患者が,眼内レンズ二次移植を希望する頻度が増加してきている1,2)。従来これらの症例に対しては,前房レンズ二次移植が行われてきたが,前房レンズ移植に伴う角膜内皮障害や術後緑内障などの術後合併症が高率に発症することより,後嚢を有する症例には後房レンズ二次移植が第一選択となっている3〜8)。後嚢破嚢などの術中合併症により後房レンズの一次移植を断念した症例に対しても,適切な術式の選択にて,多くの症例にて後房レンズを安全に二次移植することが可能である。本稿にては,後嚢を有する症例に対する(部分欠損例を含む)後房レンズ二次移植の手術手技を解説する。

臨床報告

続発性緑内障で発見された桐沢型ぶどう膜炎と思われる1症例

著者: 西野和明 ,   竹田宗泰 ,   勝島晴美 ,   足立純一 ,   小野弘光 ,   岡崎裕子 ,   今泉寛子

ページ範囲:P.17 - P.20

 原因不明のぶどう膜炎による続発性緑内障で発見され,硝子体混濁のため眼底は透見不能であったが,発症の経過,ウイルス学的検査(抗体価=256,抗体率=70.6),免疫学的検査およびHLA検査(Aw33, B44, DRw6)などの結果,桐沢型ぶどう膜炎と思われる73歳女性の1症例を経験した。しかし診断が遅れ,硝子体手術の時期を逸するほど増殖性硝子体網膜症が進行し,予後不良の転帰をとった。

脂腺癌と診断された眼窩腫瘍

著者: 萩原正博 ,   飯田透志 ,   桜井幹己 ,   若狭研一

ページ範囲:P.21 - P.23

 脂腺癌と診断された眼窩腫瘍の1例を報告する。症例は60歳,女性。涙丘部に進展する眼窩腫瘍を認め,眼球は上耳側に偏位していた。腫瘍を摘出し,放射線照射を行った。術後2年6か月後の現在まで再発や全身転移はない。病理学的検査では,腫瘍は胞巣状構造をとり,腫瘍細胞はやや大型で,明らかな異形性を認め,胞体は大小の空胞を有していた。脂肪染色陽性であり,脂腺癌と診断した。眼窩以外に腫瘍性病変を認めず,涙丘原発と考えられた。脂腺癌が涙丘より発生しうること,臨床的にはしばしば眼窩腫瘍として認められること,診断には脂肪染色が必須であることを強調したい。

偽水晶体眼の前眼部手術により生じた網膜光障害の1例

著者: 藤本可芳子 ,   菅澤啓二 ,   藤田久仁彦 ,   山岸和矢 ,   三木弘彦

ページ範囲:P.25 - P.28

 手術中の強力な顕微鏡光により網膜光障害が発生すると報告され,とくに眼内レンズ挿入術における光障害が注意されている。筆者らは,眼内レンズ挿入眼にレンズの偏位,瞳孔捕獲と毛様体—水晶体嚢ブロックによる悪性緑内障が発生した症例に,眼内レンズ挿入術後13日目に隅角癒着解離術と眼内レンズ整復術を顕微鏡光の遮蔽なしに行い,網膜光障害を発症した1例を経験した。眼内レンズの挿入された眼に前眼部手術を行うときは網膜光障害の発生に注意しなければならない。

視神経乳頭出血:低眼圧緑内障における視野障害進行との関係について

著者: 小関信之 ,   山上淳吉 ,   新家真 ,   白土城照

ページ範囲:P.29 - P.33

 低眼圧緑内障29例58眼につき,乳頭出血と視野障害進行との関連を検索した。全症例で月1回の眼底検査を8年間にわたって行った。観察期間中,乳頭出血は19眼15例に生じた。乳頭出血眼の79%と非出血眼の54%で視野障害が進行した。片眼のみに乳頭出血があった群では,出血側の82%と非出血側の73%で視野障害が進行した。全経過を通じて出血がなかった群では,28眼14例46%のみに視野障害が進行した。これら2群間には有意差があった(P<0.05)。以上の所見から,低眼圧緑内障では,乳頭出血を反復して生じやすい2群があることと,出血者であることが視野障害の進行因子と関係していることが推定された。

細隙灯顕微鏡下に観察されるヒト水晶体核部散乱光強度の数量的評価

著者: 藤沢来人 ,   佐々木一之 ,   坂本保夫

ページ範囲:P.35 - P.38

 水晶体核部の混濁程度を数量化して評価することを意図して行った。水晶体のScheimflugスリット像を筆者らの施設で開発した前眼部解析システムを用いて画像として取り出し,視軸上の前・後胎生核部の一区域の散乱光強度を測定し,両測定値の差を求めた。透明水晶体ではこの差はCTT単位で+3〜−25までの範囲に分布したが,その80%は+5〜−5の間にあり,加齢には関係しないものであった。臨床的に核混濁と診断されたものはすべて前・後部胎生核部の散乱光強度が後部のそれよりも高く,前・後部胎生核部の散乱光強度の差はCTT単位で0〜+33の間にあった。核混濁程度の強くなるほど,この値は高くなっていた。

網膜剥離術後の再発と家族性滲出性硝子体網膜症による網膜剥離

著者: 清水由花 ,   大久保彰 ,   大久保好子 ,   清水昊幸

ページ範囲:P.39 - P.43

 過去32か月間に当科で手術を行った裂孔原性網膜剥離のうち,40歳以下の症例145例156眼を対象として,家族性滲出性硝子体網膜症による網膜剥離と網膜格子状変性円孔による網膜剥離について,発症年齢,初回術式と再発率を比較検討した。両群の割合は,前者が26例28眼(18%),後者が64例73眼(47%)であり,平均発症年齢は前者で16.7歳,後者で25.0歳であった。初回手術後の再発率は前者が28眼中5眼(18%),後者が73眼中3眼(4%)と前者が有意に高かった。前者の再発5症例は,全例が周辺網膜無血管野の新裂孔より再発し,5回再発を繰り返した1例では術後の光凝固が再発の原因となった。したがって家族性滲出性硝子体網膜症に併発した網膜剥離で再発を防止するためには,全無血管野を強膜バックリングと輪状締結術による隆起の上にのせることと,網膜過凝固を避けることが必要と考えられた。

岡山県南部における結膜アレルギーのアレルゲン検索

著者: 石井フユ子

ページ範囲:P.45 - P.49

 岡山県南部において結膜アレルギー患者327名に,スクラッチテストによるアレルゲン検索を行い,ヒョウヒダニ,ハウスダスト,そしてカモガヤ,ヨモギ,アキノキリン草花粉の順にその陽性率が高かった。最近注目されているスギ花粉の陽性率は思っていたほど高くなく,牛窓町で測定したスギ花粉の飛散量も少なかった。また高い陽性率を示したカモガヤを含むイネ科花粉は5〜9月まで飛散していた。
 同一患者おける重複アレルゲンの数は平均1.7で15.9%の患者が4グループ以上のアレルゲンに陽性であった。結膜アレルギー患者には点眼治療だけでなくアレルゲンの検索も行い,指導治療を行う必要性を提示した。

白内障手術後に前部虚血性視神経症と新生血管緑内障とを発症した小児糖尿病の1症例

著者: 島田宏之 ,   川村昭之 ,   佐藤幸裕 ,   湊ひろみ ,   松井瑞夫

ページ範囲:P.51 - P.55

 6歳時にインスリン依存性糖尿病と診断された患者で,両眼に白内障が出現したため,12歳時に左眼のlensectomyとanterior vitrecto-my,16歳時に右眼の白内障嚢外摘出術を行った。左眼に術後,前部虚血性視神経症と新生血管緑内障を発症したため,汎網膜光凝固とanteriorchamber tube shunt to an encircling band法を施行した。左眼は,蛍光眼底造影検査で前部虚血性視神経症の所見に合わせて,脈なし病でみられるような網膜毛細血管のぶどうの房状の拡張と広範な無血管領域をみたことから,乳頭と網膜の循環不全が併発していたものと解釈した。左眼のみに前部虚血性視神経症と網膜の循環不全とが発生し,新生血管緑内障を併発した原因として,白内障術式自体の差が関与したものと推測した。

積極的ステロイド点眼治療を行った実質型角膜ヘルペスの長期観察例

著者: 平光忠久 ,   町田拓幸 ,   渡瀬誠良

ページ範囲:P.69 - P.73

 実質型角膜ヘルペスに対して,角膜浮腫の短期間での消失を意図して薬力価の高い副腎皮質ステロイド剤点眼を投与し,2年以上約3年間,経過を観察した4症例を報告した。初診時の点眼投与は0.1%ベータメタゾン点眼(1日4〜6回)をIDU点眼とともに行った。全例で角膜浮腫は数週間で消失した。再発回数は1症例では約3年間に4回であったが,他の症例では2〜3年間に1〜2回であった。軽度の樹枝状上皮障害が2症例で2回および3回みられた。重篤な1例を除き最終視力はほぼ正常に保つことができた。抗ウイルス剤を併用する薬力価の高いステロイド点眼治療の有用性を確認した。

硝子体出血を初発症状とした慢性骨髄性白血病の1症例

著者: 藤井麻里 ,   勝盛紀夫 ,   山中昭夫 ,   大久保潔 ,   福田薫 ,   岩根裕子 ,   中山章子

ページ範囲:P.75 - P.78

 硝子体出血を初発症状とする稀な白血病の1例を経験した。症例は33歳の男性で,両眼の視力低下を主訴として来院した。視力は右30 cm指数弁,左20cm指数弁。前眼部,中間透光体には異常なく両眼に硝子体出血を認めた。硝子体出血の原因解明のため全身および血液検査を行い,慢性骨髄性白血病が発見された。硝子体混濁がびまん性に残存したため,寛解状態に至った時点で硝子体切除を行い,右矯正0.7,左矯正1.0の最終視力を得た。白血病でも寛解状態を得,全身状態が安定しておれば硝子体手術を行うことは可能で硝子体手術は白血病による硝子体出血に対しても有効な治療法であることが判明した。そして,比較的若年者の硝子体出血の原因として血液疾患も念頭におく必要が示唆された。

半導体レーザーによる兎眼での経強膜毛様体凝固

著者: 飯島正法 ,   大木隆太郎 ,   野寄喜美春

ページ範囲:P.79 - P.84

 半導体レーザーによる経強膜毛様体凝固の臨床応用を目的として,有色家兎眼を用いて実験を行った。はじめに予備実験としてアルゴンおよびクリプトンレーザーと強膜透過性を比べたところ,半導体レーザーは最も優れた透過性を示した。次に家兎12羽12眼を用い接触法により経強膜毛様体凝固を襞部・扁平部の2群に分け施行した。両群とも凝固1週以内では約10mmHgの眼圧差があったが,その後,圧差は減少し,1か月以降20週まで約5mmHgの圧差が続いた。組織学的には襞部凝固で,毛様体実質の菲薄化や上皮層の変性・消失が著明であった。扁平部凝固では凝固部の穿孔が起きやすかったが,1か月後では穿孔部は線維芽細胞で置換され,襞部まで広範な上皮層の消失があり,房水産生抑制による眼圧下降の可能性が考えられた。

特異な経過をたどった周辺部角膜浸潤の1例

著者: 生野恭司 ,   大橋裕一 ,   木下茂 ,   眞鍋禮三

ページ範囲:P.85 - P.88

 上皮欠損を伴う原因不明の再発性周辺部角膜浸潤の1症例42歳女性を経験した。症例の角膜浸潤は副腎皮質ステロイド薬に反応して寛解し,増悪期には,口腔内アフタや皮膚の毛嚢炎様皮疹,虹彩毛様体炎など,診断基準を満たさないもののベーチェット病を疑わせる所見が同期して認められた。検査所見では増悪期の好中球遊走能亢進,組織抗原適合検査HLA-DR52陽性が認められた。この角膜浸潤の成因としてベーチェット病に類似した血管炎が関与していると考えられた。

新しい全網膜刺激装置(ガンツフェルド刺激装置)の試作

著者: 新井三樹 ,   塚田孝子 ,   坂上欧 ,   根木昭 ,   本田孔士 ,   後藤保郎

ページ範囲:P.89 - P.92

 今回筆者らは新しいGanzfeld刺激装置を試作する機会を得たのでこれを報告する。この装置は座位型で,顔面は刺激部本体のドーム内に固定される。背景光は0から1500luxの範囲で連続可変である。刺激光は0.3jouleから80 jouleの範囲で6段階の切り替えが可能,また刺激光はカラーフィルターとNDフィルターにより調節可能である。また刺激部本体のドーム内にはEOG記録用の発光ダイオード製の点滅指標も内蔵されている。
 本装置を用いて正常者の通常ERGを記録し,すべての記録において十分な振幅を得ることができた。
 本装置は臨床での使用に耐えうるものであり,またERG記録の図際規格統一勧告案の条件も満たしており,将来の発展,普及が期待できる。

コンタクトレンズ非装用者にみられたアカントアメーバ角膜炎の1症例

著者: 加畑隆通 ,   石橋康久 ,   本村幸子 ,   松本雄二郎 ,   石井圭一

ページ範囲:P.93 - P.97

 コンタクトレンズ非装用者に発症したアカントアメーバ角膜炎の1例を報告した。症例は39歳の男性で,角膜ヘルペスとして治療を受けていたが,症状が改善せず,角膜の生検によってアカントアメーバが証明され,アカントアメーバ角膜炎と診断された。培養されたアカントアメーバはA.culbertsoniと同定され,本邦では初例であった。治療はフルコナゾールの内服,ミコナゾールの点眼および病巣掻爬の三者併用を用いて良好な結果を得た。コンタクトレンズ装用者以外に発症したアカントアメーバ角膜炎は本邦では他に報告がなく,角膜の外傷の先行や土壌からの感染などが推察された。

文庫の窓から

眼科衛生学

著者: 中泉行信 ,   中泉行史 ,   斎藤仁男

ページ範囲:P.98 - P.99

 この本は井上達七郎氏(1869〜1902)の纂著で,明治27年(1894)8月に刊行された眼科衛生学の書である。その凡例によれば,本書はドイツ国のドクトル・コーン氏の著書を經とし,ドクトル・ペルリア氏の著書を緯となし,その他晋く斯学の諸書を参酌して纂訳したものであると識されている。コーン氏(HermannChon)の著書(Lehrbuch der Hygiene des Auges,1892)からは挿図なども引用されている。
 本書は252頁,全1冊(22×15cm)よりなり,本文は片仮名漢字交りの和文にて綴られ,本文中には精巧密画18図を挿人した活版本である。本書の内容は全体を16章に分け,附録にて終っているが,目次によって抄記すると以下の通りである。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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