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連載 眼の組織・病理アトラス・63
原発性蓚酸尿症
著者: 坂本泰二 猪俣孟1
所属機関: 1九州大学
ページ範囲:P.10 - P.11
文献購入ページに移動眼組織では,蓚酸カルシウムは角膜,結膜,虹彩実質,毛様体上皮,網膜,視神経に沈着し,それに伴ってさまざまな眼症状を呈することが報告されている。このうち,網膜への沈着がもっとも高頻度にみられ,しかも視機能に直接影響する場合がある。沈着物が,黄斑以外の部に存在する場合には視力にあまり影響しないが,病変が黄斑に及ぶと著しい視力障害を起こす。また,比較的稀ではあるが,視神経に沈着する場合にも視力障害の原因となりうる。検眼鏡所見としては,後極部眼底にflecked retinaといわれるように黄白色点状沈着物が(図1),または黄斑を中心に黒色斑状の小病変が散在する。
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