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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻1号

1992年01月発行

文献概要

臨床報告

脂腺癌と診断された眼窩腫瘍

著者: 萩原正博12 飯田透志1 桜井幹己3 若狭研一3

所属機関: 1大阪大学医学部眼科 2市立伊丹病院眼科 3大阪大学病院病理

ページ範囲:P.21 - P.23

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 脂腺癌と診断された眼窩腫瘍の1例を報告する。症例は60歳,女性。涙丘部に進展する眼窩腫瘍を認め,眼球は上耳側に偏位していた。腫瘍を摘出し,放射線照射を行った。術後2年6か月後の現在まで再発や全身転移はない。病理学的検査では,腫瘍は胞巣状構造をとり,腫瘍細胞はやや大型で,明らかな異形性を認め,胞体は大小の空胞を有していた。脂肪染色陽性であり,脂腺癌と診断した。眼窩以外に腫瘍性病変を認めず,涙丘原発と考えられた。脂腺癌が涙丘より発生しうること,臨床的にはしばしば眼窩腫瘍として認められること,診断には脂肪染色が必須であることを強調したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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