icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻1号

1992年01月発行

文献概要

臨床報告

網膜剥離術後の再発と家族性滲出性硝子体網膜症による網膜剥離

著者: 清水由花1 大久保彰1 大久保好子1 清水昊幸1

所属機関: 1自治医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.39 - P.43

文献購入ページに移動
 過去32か月間に当科で手術を行った裂孔原性網膜剥離のうち,40歳以下の症例145例156眼を対象として,家族性滲出性硝子体網膜症による網膜剥離と網膜格子状変性円孔による網膜剥離について,発症年齢,初回術式と再発率を比較検討した。両群の割合は,前者が26例28眼(18%),後者が64例73眼(47%)であり,平均発症年齢は前者で16.7歳,後者で25.0歳であった。初回手術後の再発率は前者が28眼中5眼(18%),後者が73眼中3眼(4%)と前者が有意に高かった。前者の再発5症例は,全例が周辺網膜無血管野の新裂孔より再発し,5回再発を繰り返した1例では術後の光凝固が再発の原因となった。したがって家族性滲出性硝子体網膜症に併発した網膜剥離で再発を防止するためには,全無血管野を強膜バックリングと輪状締結術による隆起の上にのせることと,網膜過凝固を避けることが必要と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?