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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科46巻1号

1992年01月発行

文献概要

臨床報告

硝子体出血を初発症状とした慢性骨髄性白血病の1症例

著者: 藤井麻里1 勝盛紀夫1 山中昭夫2 大久保潔2 福田薫2 岩根裕子2 中山章子2

所属機関: 1明石市民病院眼科 2神戸海星病院眼科

ページ範囲:P.75 - P.78

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 硝子体出血を初発症状とする稀な白血病の1例を経験した。症例は33歳の男性で,両眼の視力低下を主訴として来院した。視力は右30 cm指数弁,左20cm指数弁。前眼部,中間透光体には異常なく両眼に硝子体出血を認めた。硝子体出血の原因解明のため全身および血液検査を行い,慢性骨髄性白血病が発見された。硝子体混濁がびまん性に残存したため,寛解状態に至った時点で硝子体切除を行い,右矯正0.7,左矯正1.0の最終視力を得た。白血病でも寛解状態を得,全身状態が安定しておれば硝子体手術を行うことは可能で硝子体手術は白血病による硝子体出血に対しても有効な治療法であることが判明した。そして,比較的若年者の硝子体出血の原因として血液疾患も念頭におく必要が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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